通信用拡張セット
(LE-8600X/LE-8500Xシリーズ用)
SB-R2TS1
RS-232C、RS-530、RS-422/485、およびTTLインターフェースの通信を計測、テストするための拡張計測ユニットです。適合機種にセットすることで、LE-8500X(R)-RTと同等機能のマルチプロトコルアナライザーとして利用できます。
<計測ボード交換イメージ>RS-232C、RS-530、RS-422/RS-485、TTLに1台で対応可能
一般的なシリアル通信を広くカバーする4つの計測インターフェースを装備。DSUB計測ポートはRS-232CとRS-530を切り替え可能としたことで、計測ボードを交換することなくV.35やX.20/21のようなレガシーインターフェースをもつ機器のメンテナンスにもこれ1台で利用できます。※
高速シリアル通信に標準対応
柔軟で豊富な機能が利用できる標準モードとデータキャプチャ処理を全てハードウェアで処理すること最大20Mbpsの高速通信でもデータロスなく計測可能な高速モードを標準装備。通信計測対象回線の実際の転送レートに応じて、瞬時に切り替えて使用できます。
任意の通信速度対応
有効数字4桁で任意の通信速度を設定可能。ビット構成やビット送出順序、極性や変調フォーマットなども自由に選択できるので、多くのテスト状況に適合できます。
標準モード:50bps~12Mbps
高速モード:50bps~20Mbps
※:高スループットの回線の時は高速モードに切り替えてください。
豊富なモニター表示
プロトコルに応じた豊富なオンラインモニター表示フォーマットを選択できます。
■ 調歩同期 ASYNC
<ASYNC 生データ表示>
<ASYNC 改行表示>
■ キャラクタ同期 SYNC/BSC
<SYNC/BSC 生データ表示>
<SYNC/BSC 改行表示>
■ ビット同期 HDLC/SDLC
<HDLC 生データ表示>
<HDLC ダンプ表示>
<X.25 フレーム表示>
<X.25 パケット表示>
<HDLC 制御線表示>
■ ASYNC-PPP
<ASYNC-PPP 生データ表示>
<ASYNC-PPP 翻訳表示>
<ASYNC-PPP ダンプ表示>
■ I2C
<I2C 生データ表示>
<I2C 翻訳表示>
■ SPI
<SPI 生データ表示>
<SPI改行表示>
<SPI ロジアナ表示>
フィールドバス系プロトコルのModbus や PROFIBUS に標準対応
オプションの追加なしで、Modbusや高速なPROFIBUSやCC-LINKの通信データを観測、テストできます。
■ Modbus
<Modbus 生データ表示>
<Modbus 翻訳表示>
<Modbus ダンプ表示>
■ Profibus
<Profibus 生データ表示>
<Profibus 翻訳表示>
<Profibus ダンプ表示>
GNSS(PPS)信号による時刻同期が可能なタイムスタンプ
一般的な±20ppm精度の水晶発振器を利用したタイプスタンプの場合、1日で最大1.7秒程度ずれる可能性があります。GNSS/GPS時刻同期機能を利用すれば、秒単位で時間補正された正確なタイムスタンプをモニターデータに付加できるため、2台のアナライザーで稀に通信障害が発生する2地点を同時に長期間計測した場合でも、2台の計測ログのタイムスタンプを基にデータを比較検証するような使い方ができます。
タイムスタンプとアイドルタイム
通信フレームの先頭データが送受信された時間情報を示すタイムスタンプを通信データと共に記録可能。測定状況に応じて、月日時分秒や日時分秒10m秒などの実時刻タイムスタンプ、または測定開始からの経過時間を高精度に記録できる経過時間タイムスタンプ(100µ秒/10µ秒/1µ秒)を選択できます。
また、無通信時間や制御線の変化タイミングを最小1m秒単位のアイドルタイムとして記録することも可能です。
【実時刻タイムスタンプ表示例】
3桁記録方式(下位モデル互換)
|
拡張記録方式
|
【経過時間タイムスタンプ表示例】
TMSP 005.398.614 |
5秒398m秒614μ秒経過 |
無通信時間(アイドルタイム)も表示できるので応答時間やタイムアウトが一目で確認ができます。
【アイドルタイム表示例】
IDLE 02.78 |
IDLE 0.046 |
2.78秒 | 0秒046m秒 |
通信障害の発生時点までロールバック可能な長時間記録
メガスピード通信を取り逃さない高速アクセス可能な1Gバイトのキャプチャメモリーを内蔵。エンドレスに記録可能なリングバッファモードとメモリーフルで自動停止する固定バッファモードを選択可能です。また、大容量の外部スレージデバイスにモニター中のキャプチャメモリーの内容を指定ファイルサイズ単位で連続保存できるオートセーブ機能を利用すれば、稀にしか発生しない原因不明の通信障害の解明に役立ちます。
対象通信速度 | 連続記録時間の目安※1 | ||
---|---|---|---|
本体メモリーのみ | 64GバイトUSBメモリー※2※3 | 500GB SSD※2※3 | |
9600bps | 約60時間 | 約152日間 | 約1203日間 |
115.2Kbps | 約5時間 | 約312時間 | 約40日間 |
1Mbps | 約36分 | 約40時間 | 約13日間 |
送受信データはキャプチャ毎に4バイトのメモリーを消費します。
全てのUSBメモリー、USB接続SSDの動作を保証するものではありません。
[ USBストレージ接続イメージ ]
測定を継続したまま通信ログファイルをPCに取り込み可能
「LEファイルダウンローダー lefiledownload(V1.04以降)」を使えば、オートセーブ機能でストレージデバイスに保存された通信ログファイルをLANまたはWi-Fi経由でパソコンに取り込むことができます。現場にセットしたアナライザーでオートセーブ機能を実行しておき、通信障害が発生した時刻付近のタイムスタンプの通信ログファイルをパソコンに取り込み、 PCリンクソフトで解析するような応用が可能です。
ロジアナ機能による詳細なタイミング解析をサポート
通信回線のタイミングをデジタル波形表示するロジアナ機能は、最高100MHzサンプリングが可能。大型画面を活かした12ライン同時の測定表示ができ、時間カーソル操作により簡単に2点間の時間測定が可能です。さらに、測定した波形データを画面で編集して再現出力できるPULSGEN 波形出力モードにより、波形観測だけでなくタイミングマージンの確認テストなどにも利用できます。
ロジアナ機能
○ 2点間の時間計測
最初の信号位置まで[▶] 、 [◀]でカーソルC(青の点線)を移動して、 [ENTER] または "マーク"をタップすると、その位置がマーカーM(赤の点線)になります。次に[▶] 、 [◀]でカーソルC(青の点線)を時間計測点まで移動すると、画面の最下行の ‟ C-M: ”にカーソルCとマーカーM間の時間が表示されます。
○ 信号線の表示順序の入れ替え
表示順序を移動したい信号を[ ▲ ] 、[ ▼ ] で選択し、 [SHIFT] + [ ▲ ] 、 [SHIFT] +[ ▼ ] で 選択した信号の表示順序を入れ替えることができます。
波形編集出力(PULSGEN機能)
ロジアナ解析機能で測定した通信回線のタイミング波形データを画面上で編集して出力可能。標準タイミングから変化させてテストできるのでエラーの再現確認などに利用できます。
編集対象信号(緑色の背景色)は[ ▲ ] 、[ ▼ ] で選択し、カーソルは [▶] 、 [◀]で移動します。
"シフトモード"を選択して [▶] を押すと、カーソル位置と同じ信号レベルの信号を右方向に1タイミング時間分挿入できます。
"シフトモード"を選択して [◀] を押すと、カーソル位置から右の信号を1タイミング時間分削除できます。
"反転"をタップすると、 カーソル位置から右の信号レベルを全て反転できます。
柔軟な通信テストが可能なシミュレーション機能
アナライザーが通信相手となって開発フェーズに応じた送受信テスト環境を提供するシミュレーション機能。開発初期段階で通信相手機器が用意できない時に不可欠な多くのテストモードが用意されています。
送信データテーブル
テストに利用する送信データを16進数やフルーキータッチ画面で事前に登録できます。指定データのみをパリティエラーとして登録したり、CRCやBCCを自動計算したりする機能が利用できます。
半二重通信データのSD/RD振り分け機能
RS-485のようにSDラインのみを使用する半二重通信テスト時、アナライザーの送信データをSD側、相手機器からの応答データをRD側に振り分けてリアルタイムモニター記録しながらのテストが可能です。
RS-485半二重通信テスト時のドライバ制御
シミュレーション時、RS-485ドライバICの出力をデータ送信に連動したり、常にアクティブにしたり、プログラムモードでタイミングを制御したりすることができます。
MANUALモード
各キーに対応する送信テーブルに登録した任意のデータをキーを押す毎に送信し、相手機器の応答を画面で確認しながら手動でワンステップずつテストします。
BUFFERモード
モニター機能でメモリーに取り込んだ送信側または受信側のデータをそのままシミュレーションデータとして送信します。
FLOWモード
調歩同期通信のX-on/offやRTS/CTSのフロー制御の送信側または受信側となりテストできます。
ECHOモード
受信データを本機内部で折り返してループバック送信します。
POLLINGモード
マルチドロップ(1:N接続)のポーリング通信手順におけるスレーブ側またはマスター側をシミュレーションできます。
PROGRAMモード
専用コマンドのプログラムを作成することで条件判定を伴う通信プロトコルを柔軟にシミュレーションできます。
【プログラム例】
事前に送信データテーブル08 に S ,T ,A ,R ,T ,CR,LF を登録しておく
000:レジスタ0に値3をセット
001:ラベル020
002:送信データテーブル08 の内容を送信
003:新たな受信フレームを待つ
004:もし、「CR,LF,O ,K ,CR,LF」を受信したら、ラベル025に分岐
005:レジスタ3を+1する
006:レジスタ3とレジスタ0の値が同じなら、ラベル030に分岐
007:ラベル020に分岐
008:ラベル025
009:「1 ,2 ,3 ,A ,B ,C ,CR」を送信
010:ラベル030
011:100m秒ウエイト
012:「E ,N ,D ,CR」を送信
[ PROGRAM実行画面例(3回目にOKを受信した時) ]
PULSGENモード
ロジアナ機能で測定した通信回線のタイミング波形データを画面上で編集して送信するモードです。微妙にタイミングの違う通信データを再現テストできます。
伝送品質解析に役立つBERT(ビットエラーレイトテスト)機能
最大5Mbpsで、送信テストパターンを送信し、折り返して返信されたデータをITU-T G.821勧告準拠のパラメータ(ビットエラー数、ブロックエラー数)で評価し、エラー率の測定や障害点の切り分けができます。
[ ビットエラーレイトテスト時の接続例 ]
計測効率をアップする条件自動設定機能
受信した通信データを解析して、通信速度、キャラクタ・フレミング、データコード、同期キャラクタ、BCC/FCS等の基本的な測定条件を自動設定します。
スナップショットやテキスト形式で計測レポートを保存、印刷
[SHIFT]+[ESC]のキー操作で、計測結果や設定条件の画面表示イメージをスクリーンショットしてPNGファイルで保存可能。また、本機上で測定データの指定範囲をテキストファイルに変換してストレージデバイスに保存できるので、テスト結果のレポート作成に役立ちます。また、専用プリンターを接続すれば、測定データの指定範囲の連続プリントアウトや画面表示イメージのハードコピー印字も可能なため、現場での記録メモとして活用できます。
[ ハードコピー印字の利用イメージ ]
ファイル管理機能
計測データや設定データ、画面のスクリーンショットをUSBメモリーやSDHC等の外部ストレージに保存、読み込み、削除ができるファイル管理機能を装備しています。スクリーンショット(やテキストデータ)はアナライザー上で確認できます。
LAN、USB、Wi-Fi接続でPCリンク、またはLAN/Wi-Fi接続でiOS端末からリモートコントロール
パソコンにインストールしたPCリンクソフトからのリモート計測が可能。パソコンからのリモート接続、データ転送用にGビットLANやUSB3.0による高速データ転送がサポートされました。Wi-Fi対応モデルのLE-8500XR-RTは、無線LAN経由でパソコンと接続が可能です。
PCリンクソフト「LE-PC800X」には機能確認用のライト版も用意されています。
また、iOS用のアプリケーション LE-REMOTE8 を使用すれば、iPhoneやiPadなどのiOS端末からLAN/Wi-Fi※経由でアナライザーをエミュレートして操作することも可能です。
<iPadでの表示イメージ>
<iPhoneでの表示イメージ>
日英表示を簡単に切替可能
日本語表示と英語表示を切り替えできるので、海外拠点での利用も安心です。