SB-FE2
SB-FE2は、通信アナライザーLE-8600X/LE-8500Xシリーズのインターフェース拡張スロットに装着して使用するEtherCAT対応のLAN計測用の拡張ボードです。10BASE-T/100BASE-TX回線をゼロ遅延でタップでき、同時に2回線のLANパケットを高精度なタイムスタンプ付きでキャプチャできます。LANパケットの時間制約が厳しいEtherCAT回線のスレーブ機器間の入出力パケットをモニターして時間差を計測するような用途に最適です。また、PoE(Power over Ethernet)電力情報を2回線同時に長時間連続測定できるので、2つのPoE機器の電力トレンドを確認することも可能です。機器の開発時だけでなく、現場に持ち込んでの調査や障害解析などにも活用できます。
適合アナライザー:LE-8600Xシリーズ、LE-8500Xシリーズ
利用イメージ
<使用例>
特徴
●EtherCATパケット計測に最適なゼロ遅延タップ2回線同時測定
●2回線のPoE/ PoE+/ PoE++合否判定と長時間記録、CSV保存
●GNSS(PPS)信号による時刻同期が可能な高精度タイムスタンプ
●送受信パケットの受信時間差の計測できる遅延時間測定機能
●時間帯毎の通信トラフィックの傾向を確認できる統計解析機能
●USB3.0経由で大容量外部ストレージに通信ログを自動記録
●Wiresharkで解析可能なPcapNGファイル保存
●LAN、USB、またはWi-Fi(XRのみ)接続でPCリンク
簡単なセットアップ
ファームウェアがプレインストールされており、インターフェース基板を交換するだけでスタンドアロン型アナライザーとして利用できます。
ゼロ遅延で10BASE-T/100BASE-TX の2 ポートをリアルタイムモニター
イーサネット計測が可能な4つの計測用LANポートを装備。ポートA-B間および ポートC-D間に分岐接続されたLANケーブル上を流れるイーサネットパケットを ゼロ遅延でオンラインモニターが可能です。アナライザー本体へのタップ(モニター接続)によって測定対象のパケットを遅延させません。また、ポートA-B間および ポートC-D間はフェールセーフタップになっており、アナライザーの電源が切れても測定対象間のリンクは維持されます。
<スルー接続タップ回路>
[ 計測データ画面 ]
[ 翻訳表示画面 ]
□ 各ポートの送受信パケットの受信時間差の計測できる遅延時間測定機能や時間帯毎の通信トラフィックの傾向を確認できる統計解析機能も用意されています。
時間帯毎の対象回線の転送レートも計測可能です
PoE / PoE+ / PoE++ 対応の合否判定と長時間電力記録が2チャンネルで可能
PoE/PoE+/PoE++(IEEE802.3af/at/bt)に対応したPoE計測機能をA-Bポート、C-Dポートにそれぞれ装備。PoEのPSE給電機器とPD受電機器間の消費電力、電圧、電流を長時間連続記録すると共に、給電タイプ(Alternative A/B、極性)や上下限電圧等のリアルタイムの適正判定、グラフ表示、ダンプ表示が可能です。
GNSS(PPS)信号による時刻同期が可能なタイムスタンプ
一般的な±20ppm精度の水晶発振器を利用したタイムスタンプの場合、1日で最大1.7秒程度ずれる可能性があります。GNSS/GPS時刻同期機能を利用すれば、秒単位で時間補正された正確なタイムスタンプをモニターデータに付加できるため、2台のアナライザーで稀に通信障害が発生する2地点を同時に長期間計測した場合でも、2台の計測データをタイムスタンプを基に比較検証するような使い方ができます。
[ GPS接続イメージ ]
また、GPSアンテナが接続された本機から時刻同期用のPPS信号を出力できるため、2台目のアナライザーと別売のSMA同軸ケーブルで接続すれば、タイムスタンプの同期がとれた2台同時測定が可能になります。
[ PPS信号による2台同時測定イメージ ]
USB3.0経由で大容量外部ストレージに通信ログを自動記録
計測データをキャプチャメモリーに記録しながら、USBメモリーやSSD等の外部ストレージ(最大2TB)にも指定サイズの通信ログファイルとして長時間連続して自動保存できます。オートセーブされた通信ログファイル(#nnnnnnn.DT:nは保存順の連番)は、指定サイズの複数のファイルに分割して保存できるので、通信障害が発生した時間帯のファイルのタイムスタンプから障害発生前後の通信ログを絞り込めます。
[ USBストレージ接続イメージ ]
測定を継続したまま通信ログファイルをPCに取り込み可能
「LE ファイルダウンローダー lefiledownload(V1.04以降)」を使えば、オートセーブ機能でストレージデバイスに保存された通信ログファイルを LANまたはWi-Fi 経由でパソコンに取り込むことができます。現場にセットしたアナライザーでオートセーブ機能を実行しておき、通信障害が発生した時刻付近のタイムスタンプの通信ログファイルをパソコンに取り込み、「lepcapcvt」でPcap/Pcapng形式へ変換してWiresharkなどで解析するような応用が可能です。
LAN、USB、Wi-Fi接続でPCから、またはLAN/Wi-Fi接続でiOS端末からリモートコントロール
パソコン上でアナライザー本体の画面イメージを確認しながら、パソコンのキーボードやマウスを使ってアナライザーのリモート操作が可能です。GビットLANやUSB3.0による高速リンクによりスムースな操作ができ、Wi-Fi対応モデルのLE-8500XRは、ケーブルレスでパソコンと接続してリモートコントロールすることもできます。
<PCでの表示イメージ>
また、iOS用のアプリケーション LE-REMOTE8 を使用すれば、PCのエミュレーションソフトと同様に、iPhoneやiPadなどのiOS端末からLAN/Wi-Fi※経由でアナライザーを操作することも可能です。
<iPadでの表示イメージ>
<iPhoneでの表示イメージ>
計測データをWiresharkで解析可能なPcapNGファイルで保存可能
計測データや設定データ、画面のスクリーンショットをUSBメモリーやSDHC等の外部ストレージに保存、読み込み、削除ができるファイル管理機能を装備。LANプロトコルの解析ソフトWiresharkで読み込めるPcapNGファイルにダイレクトに保存することもできます。
■ Pcap/Pcapng変換と測定データ取込みが可能なPCソフトを用意
Wiresharkで読み込めるPcap/Pcapng形式へのデータファイル変換ソフト「lepcapcvt」を使えば、USBメモリー等に保存した測定データをパソコン上でPcap/Pcapng形式へ変換が可能。このソフトからLAN等でリンクされたアナライザーの[RUN](計測開始)、[STOP](計測終了)操作を行い、アナライザーの計測データをLAN等経由でパソコンに取り込んで計測ファイルとして保存することもできます。
測定データのテキスト変換やプリントアウト
PCリンクソフトを経由せず、本機上で測定データの指定範囲をテキストファイル に変換してストレージデバイスに保存できます。専用プリンターを接続すれば、 測定データの指定範囲の連続印刷や画面表示イメージのハードコピー印字も可能 です。
[ ハードコピー印字の利用イメージ ]