■ LAN
LAN (Local Area Network)とは
比較的狭い範囲で複数のコンピューターやプリンターなどを接続して情報をやりとりするネットワークのことです。現在最も普及している
LANはEthernetと
TCP/IPを合わせて利用されています。(TCP/IPモデルとOSI基本参照モデル参照)
● 主なTCP/IPモデルとOSI基本参照モデル
Ethernetとは
DEC社、Intel社、Xerox社の3社によって考案され、IEEE802委員会によって標準化されたLAN規格です。
アクセス制御にはCSMA/CD方式を採用し、接続方法は同軸ケーブル、ツイストペアケーブル、光ファイバーケーブルなどを用いる10BASE-5、10BASE-2、10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-FX規格などがあります。またネットワークで接続して通信を行いデータの送受信をするためにイーサネットではイーサネットフレームと呼ばれる転送単位で通信を行い、通信相手を識別する為にMACアドレスを利用します。
● 主な通信媒体の規格
CSMA/CD (Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)とは
1つの通信経路を複数の端末が共有するため、それぞれの端末が回線上にデータが送信されているかを監視し回線が空いていればデータを送信し、他の端末と送信データの衝突が起きれば、一定時間おいてから再送を行なうという方式です。
イーサネットフレームとは
イーサネット用に標準化されたデータ通信規格フォーマットで、データをやりとりするときに宛先や情報を認識するためのフォーマットであり、EthernetフレームIEEE802.3フレームなどがあります。「タイプ」フィールドと「データ長」フィールドやオプションなどに多少の違いがありますが基本的にIEEE802.3とEthernetは同じです。
● Ethernetフレーム
● IEEE802.3フレーム
プリアンブル |
: 同期をとるための信号です。 |
SFD (Start Frame Delimiter) |
: フレームの開始を示します。 |
FCS (Frame Check Sequence) |
: 宛先MACアドレスからデータ部までのCRCによる誤り検出を行います。 |
MACアドレス (Media Access Control Address)とは
ネットワークに接続される機器につけられた固有の番号です。「イーサネット・アドレス」、「物理アドレス」、「ハードウェア・アドレス」などとも呼ばれています。ネットワークに接続されている機器を識別するために利用され世界中で同じ番号は他に存在しません。「AA:BB:CC:11:22:33」のように2桁の数字(16進数)の6つの番号をコロンなどで区切って表します。
TCP/IPとは
最も広く用いられているネットワークプロトコルの1つでインターネットで使われる標準プロトコルです。
異なる機種同士でも情報の通信ができるように通信手順を定めたもので、IPアドレスを利用しTCP、UDP、Telnet、SMTP、HTTP、BOOTP、DHCP、TFTP、SNMPなどの通信プロトコルが用いられます。
IPアドレスとは
ネットワーク上の機器を識別するための番号です。
ネットワークに接続されたときに自動的に割付けられるか、手動で設定します。
「192.168.0.100」のように10進数の4つの番号をドットで区切って表します。
IP (Internet Protocol)とは
インターネットの基礎となる重要なコネクションレス型の通信プロトコルです。
IPアドレスを元にルータなどを経由して相手にデータを届ける役割を持っておりますが、相手まで確実にデータが届いていることを保証しません。
TCPやUDPなどとあわせて利用されます。
ARP (Address Resolution Protocol)とは
IPアドレスからMACアドレスを得るために使われるプロトコルです。
ネットワーク上でデータを他の機器に送る際に送信先を知るために使用されます。
TCP (Transmission Control Protocol)とは
コネクション型のデータ伝送用プロトコルです。UDPに比べデータの送受信速度は低いですが信頼性のあるデータの送受信が可能です。Telnet、SMTP、HTTPなどに使われます。
UDP (User Datagram Protocol)とは
コネクションレス型のデータ伝送用プロトコルです。TCPに比べ高速にデータの送受信が可能ですが信頼性が低くなります。
BOOTP、DHCP、TFTP、SNMPなどに使われます。
ICMP (Internet Control Message Protocol)とは
エラーの通知や制御情報などをやりとりするプロトコルです。エラーが発生するとエラー情報を記録したデータを送信元に送り返します。Pingコマンドなどで使用されます。
BOOTP (Bootstrap Protocol)とは
クライアントマシーンが起動時に、自分のIPアドレス、サーバーのアドレス、ロードして実行するファイルなどの起動(BOOT:ブート)情報をサーバーに要求し取得するためのプロトコルです。
DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)とは
クライアントマシーンが起動時、自分のIPアドレスなどのネットワーク情報をサーバーに要求し自動的に割り振るためのプロトコルです。ネットワーク内のすべてのシステムのIPアドレスを一元的かつ動的に管理し、割り当てたIPアドレスの利用可能期間を定めて再割り当てすることが可能です。
AutoIPとは
DHCPサーバーがない小規模なネットワークに接続されたとき、IPアドレスを自動的に割り振るためのプロトコルです。予約範囲169.254.0.1〜169.254.255.254の中から任意のアドレスを1つ選択してネットワーク上で他のデバイスが使用していなければそのアドレスを使います。このアドレスはルータを越えられない決まりなので,ほかのネットワークと相互につなぐことはできません。
TFTP (Trivial File Transfer Protocol)とは
単純なファイル転送用のプロトコルです。
サーバーに対するファイルの読み書きはできますが、リストを取得したり、複数のファイルをまとめて送受信したり、認証する機能がありません。システム起動時(BOOTP)のOSプログラムのロードや、システムのコンフィギュレーション情報の配布などに使われます。
SNMP (Simple Network Management Protocol)とは
ネットワークに接続された機器類をネットワーク経由で監視するためのプロトコルです。
「SNMPマネジャー」などのネットワーク管理者用のプログラムによってネットワークのトラフィック制御や機器の情報を管理するのに使用します。
Telnetとは
サーバーへネットワークを経由してクライアントをサーバーの端末として接続するためのプロトコルです。ネットワーク上の他の機器を遠隔地からコマンドベースで設定、操作する際に使用します。主にUNIX系サーバーやネットワーク機器(ルータなど)のリモート操作に使われます。
SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)とは
簡易メール転送用プロトコルです。メールを目的のサーバーまで中継し、相手のメールボックスへ転送するために使用されます。
HTTP (Hyper Text Transfer Protocol)とは
クライアントと Webサーバー間において、HTMLファイルなどの文書を転送するために用いられるプロトコルです。
プラウザなどでWEBを表示するのに使用され、クライアントからWebサーバー側にHTMLファイル(画像ファイルを含む)受信要求すると、Webサーバーはそれに応じてHTMLファイル、データなどを転送してきます。