(LE-3500R/2500R用)
OP-SB7GX
OP-SB7GXは、通信アナライザーLE-3500R/LE-2500R/LE-3500/LE-2500のインターフェース拡張スロットに装着して使用するCAN/LIN通信用拡張ボードと専用ファームウェアのセット商品です。
CANとLINの計測コネクタが各2個有り、CANを2チャンネル、LINを2チャンネル、またはCANとLINを各1チャンネルのいずれかを選択して計測できるので、CANとLINが混在した通信ネットワークの評価に最適です。
CANやLINの通信データを計測メモリーに取り込みながらリアルタイム表示可能なモニター機能や開発初期段階で通信相手に代わりテストデータを送受信できるシミュレーション機能を装備。IDフィルタ機能やトリガー機能、通信ビット単位でタイミング測定が可能な簡易ロジアナ機能などで開発や評価を効率化できます。 4ラインの外部信号をデジタル信号またはアナログ信号として通信データ計測 中に同時測定可能です。
軽量・小型・電池駆動かつPC不要のスタンドアロン動作可能なLEシリーズは出張テストやメンテナンスにも最適な製品です。
使用方法
■準備
アナライザーにOP-SB7GX の専用拡張ボードを装着し、専用ファームウェアをインストールします。一度インストールすれば、拡張ボードを交換するだけ、標準ファームウェアとOP-SB7GXファームウェアが自動的に切り替わります。
インターフェース設定画面で2チャンネルのモニター対象インターフェースとシミュレーションするチャンネルを設定します。高速CAN (ISO11898)選択時は必要に応じて専用拡張ボード上のジャンパーピンで終端抵抗をon/off可能です。
■接続
CAN測定時は、付属のDB9モニターケーブルを使用してCANバスに接続します。LIN測定時は、付属の3線プローブケーブルを使用してLINバスに接続します。
<CAN測定時の接続>
<LIN測定時の接続>
オプションの OBD2-DSUB9ケーブル を使って自動車のOBD2コネクタに接続すれば、アナライザーを車載して手軽にCANの計測ができます。
モニター機能
標準フォーマット(11bit ID)と拡張フォーマット(29bit ID) が混在したCAN2.0Bにも対応。任意の通信速度設定やビット取込タイミング位置の指定機能により柔軟な通信テストが可能です。
■CANの場合
11bit ID と29bit ID のフレームが混在するCAN2.0Bに対応。チャンネル毎に低速CANと高速CANのトランシーバICを選択でき、任意の速度設定やビット取込タイミング位置の指定機能により柔軟な評価が可能です。
<通信速度とビット取込位置の設定>
<IDフィルタ設定>
■LINの場合
任意の通信速度で計測でき、特定IDだけを記録するIDフィルタも可能です。データフレームのID毎にデータ長とチェックサム計算方法を指定する詳細設定だけでなく、フレームエンドをアイドル時間で区切る簡単設定も用意されているので、素早い計測スタートが可能です。
<LIN通信条件>
<通信速度と計測条件の設定>
<データ長&チェックサム設定>
■LIN/CAN同時モニター
<オンラインモニター計測表示>
<計測データのオフライン解析表示>
表示内容 | 意味 |
---|---|
TM | フレームを受信した時間を1ms単位で表示します。(例:4216898→42分16.898秒に受信) |
dT | 計測後(STOP中)、前フレーム受信からの差分時間を表示します。 [ZOOM/CODE]キーでTM表示と切り替え表示 (ファームウェアVer1.02以上で対応) |
CH | 受信したチャンネルを表示します。(1:CH1、2:CH2) |
ID | CANの場合、受信したフレームのIDを表示します。 LINの場合、SynchBreak幅のビット数、SynchField、-、Identifierの順で表示されます。 (例:1355-35 SynchBreak幅=13ビット、SynchField=55h、Identifier=00h) |
TYP | 受信したフレームの種類を表示します。 DAT:CANデータフレーム REM:CANリモートフレーム ERR:CANエラーフレーム FRM:LINのフレーム ILL:LIN規格外の不正なフレーム |
DL | CANの場合、データ長コードの内容(データバイト数)を表示します。(10進数) LINの場合、CONFIGにて設定したデータ長が表示されます。(10進数) |
DATA | データフィールドの内容を表示します。 |
C | LINの場合のみ表示されチェックサムの内容を表示します。(16進数) |
S | 正常なフレームであったかを表示します。 |
I | 外部入力の状態を表示します |
トリガー機能
ある条件と条件成立後の計測動作を4組まで指定して計測が可能。特定データフレームの受信したときに計測を自動停止したり、あるトリガー条件の成立で別のトリガー条件を有効にするシーケンシャルトリガーとして利用したりでき、間欠的な障害解析に威力を発揮します。
<トリガー設定状態のサマリー表示>
<トリガー設定>
■要因(FACTOR)
項目 | 内容 |
---|---|
ERROR | LINのエラーをトリガーとします。 BREAK:BREAKフィールドのドミナントが10ビットの時エラーとします。 SYNC:SYNCフィールドの値が55(h)以外の時エラーとします。 PARITY:パリティエラー CHECKSUM:チェックサムエラー FRAMING:フレーミングエラー(ストップビットがドミナントの時) |
DATA | 特定のデータフレームの受信をトリガーとします。 受信チャンネル、ID、データフィールドの内容を設定できます。 (Don't care、ビットマスクの設定も可能) |
REMOTE | CANの特定のリモートフレームの受信をトリガーとします。 受信チャンネル、IDの内容を設定できます。 (Don't care、ビットマスクの設定も可能) |
TM/CT | タイマーまたはカウンターが設定値と一致した時をトリガーとします。 TM0/TM1、CT0/CT1を選択します。 |
EXTERNAL | 外部トリガー入力をトリガーとします。 立上り、立下りの設定をします。 |
■動作(ACTION)
項目 | 内容 |
---|---|
BUZZER | ブザーを約0.3秒間ならします。 |
STOP | 測定を停止します。トリガー成立から実際に停止する時間をOFFSETとして設定できます。 ■QUICK :直ぐに停止 ■BEFORE :トリガー点から少しデータを取り込んでから停止 ■CENTER :トリガー点を中心に前後のデータ量が同じになるように停止 ■AFTER :トリガー点後のデータが多くなるように停止 |
SAVE | トリガー成立時、トリガー点の前後(OFFSETで指定)のデータをメモリーカードに保存します。 |
TIMER | タイマーを制御します。タイマーの種類、制御内容を設定します。 ■START :タイマーのスタート ■STOP :タイマーの停止 ■RESTART :タイマーをクリアし、再スタート |
COUNTER | カウンタを制御します。カウンタの種類、制御内容を設定します。 ■INCREMENT :カウンタを+1 ■CLEAR :カウンタを「0」にします。 |
TRIG SW | 他のトリガー状態を制御します。 ■DISABLE :トリガーを無効にします。 ■ENABLE :トリガーを有効にします。 ■CHANGE :トリガーの状態を変更します。DISABLE⇔ ENABLE |
SEND | 送信データテーブルに設定されているデータの制御を行います。 制御する送信データテーブル、制御内容(送信または停止)、制御開始するまでの時間(RESPONSE)を設定します。(CANの場合のみ有効です) |
シミュレーション機能
■CANの場合
CANデータテーブルに事前登録された標準フォーマットや拡張フォーマットのデータフレームおよびリモートフレームをワンタッチで送信。フレーム内の一部データをスイープデータとして指定でき、スイープデータを初期値から第3目標値まで指定時間で順次変化させながら送信することができます。この機能は、CANやデバイスネットの機器が通信データの変化に対して、どのように動作するかを確認するときに大変役立ちます。
<CANデータテーブルのサマリー表示>
<データテーブル設定画面>
<スイープデータ設定画面>
■LINの場合
本機がLINのマスターまたはスレーブをシミュレーションできます。
<マスターモード画面>
レスポンススペース(ヘッダー部とレスポンス部の間隔)を0~99ビット分の範囲で設定できます。
<スレーブモード画面>
インターバイトスペース(レスポンスデータの間隔)を0~99ビット分の範囲で設定できます。
送信するヘッダやレスポンスフレームをLINデータテーブルに16種類まで事前登録します。
<LINデータテーブルサマリー表示>
<LINデータテーブル設定>
マスターモードの時は、スケジュールテーブルに設定した順にデータテーブルの内容を繰り返し送信したり、キー操作でスケジュール番号を指定して送信したりすることが可能。スケジュール番号毎にParity エラー、BREAKフィールドのビット数(未指定時は13ビット)、およびSYNCフィールド異常データ(未指定時は正常な55h)を設定できるので、通信異常発生時の動作テストを簡単に実現できます。スレーブモードの時は、マスターから要求と一致するIDが設定されたデータテーブルの内容を送信します。また、シミュレーション中に[×]キーを押す毎にWakeUP信号(80h)をいつでも送信可能です。
<マスターモード画面>
<スケジュール設定画面>
データテーブル番号0,F,1,2の順位に送信され、テーブルFのデータはBREAKフィールド18ビット長でParity エラーが送信されます。
データの利用
■検索機能
計測データの中から、特定データを含む通信フレームや指定範囲のタイムスタンプと共に記録されたフレームなどを効率的に検索したり、その条件一致するデータを数えたりすることが可能です。
■データの印字
計測データやテーブルデータを印字可能です。
測定結果印字
CANテーブル印字
LINテーブル印字
■データのテキスト変換
付属のテキスト変換ソフト利用して計測データをPC上でテキスト変換可能です。オプションのメモリーカードとCFカードを読み書き可能なWindows® PCが必要です。
■PCでのデータ表示
オプションのCAN/LIN用PCリンクソフトOP-SB7GXを利用して計測データをPC上で表示、検索、テキスト変換が可能です。
詳しくはLE-PC7GX製品ページをごらんください。