USB 2.0 プロトコルアナライザー
LE-650H2
PCのHDD/SSDに最大10GB大容量連続記録
USB機器のファームウェア・ドライバ開発に
VBUS測定・ロギング対応
USBスピードに自動追従する簡単操作のUSBアナライザ
LE-650H2シリーズは、測定対象デバイス間の通信データを回線に影響を与えることなくUSBアナライザー本体の大容量メモリーに記録しながら、USB経由でパソコンに転送。対象デバイスのスピード(480Mbps / 12Mbps / 1.5Mbps)を自動判定して切り替えますので、スピード設定は不要です。スピードの異なるデバイスがハブに接続されている場合でも、パソコンのスペースキーを押すだけで、測定を開始できます。
大幅な小型軽量化を実現
LE-650H2-Aは、従来モデルのPC接続型のUSBアナライザー LE-620HSの優れた解析機能を継承しながら、アルミ筐体と8層プリント基板の採用により、大幅な小型軽量化を実現しました。
■各部の説明
- 解析用パソコンと接続
- 電源ON(緑) / 測定中(赤)
- VBUS電圧 4.5V以上(緑)
- 転送中(緑) / サスペンド(橙)
- HIGHスピード(赤) / FULLスピード(緑) / LOWスピード(消灯)
- 外部トリガー入出力コネクタ
- 測定対象USB機器と接続
HDDやSSDに10Gバイト連続記録
USBアナライザーの測定データは解析用パソコンに常時転送され、パソコンのHDDやSSDに最大2Gバイト(1Mバイト単位で指定可)のログファイルとして記録されます。 また、リングバッファ構成で最大20個のログファイルに連続記録可能なリピートモードを装備。測定中でもログファイルのデータを過去に遡って検索やスクロール表示できるので、希にしか起こらない通信トラブルの長時間解析に有効です。
さらに大容量記録のアドバンスモデルLE-650H2-Aもラインナップ
LE-650H2 | LE-650H2-A | |
---|---|---|
最大記録容量 | 10Gバイト | 40Gバイト |
VBUSロガーモード | 低速 | 高速 |
明快かつ詳細なモニター表示
USBパケットをトランザクション単位で明快に表示。HIGHスピード時のPINGやスプリットトランザクションも確認できます。標準ディスクリプタやデバイスリクエストだけでなく、CommunicationやPrinterなどのクラスの各種ディスクリプタ、HUB/ HID/ Audio/ Communication/ Mass storageなどのクラスの固有デバイスリクエストも詳細に翻訳表示されますので、難解なUSBプロトコルを直感的に理解することができます。
- 複数のパケットを1トランザクションとして1行にまとめて表示します。
- 8バイトを超えるデータは最初の8バイトのみ表示されます。[+]マークをクリックすると[-]マークになり全データが展開表示されます。
- トランザクションごとの通信スピードを表示します。
- Bus Reset、Suspend、Disconnect、ChirpのUSBバス状態を通信データと共に記録し表示します。
- 任意のトランザクションに「1」~「99」までのマークを付けることができます。マークを付けると、マーク位置へのジャンプが可能になります。
- SOF(スタート・オブ・フレーム)のフレーム番号を表示します。HIGHスピード時は、マイクロフレームを「(1/8)~(8/8)」のように表示します。なお、LOWスピード時は、SOFパケットが発生しないため、このカラムには何も表示されません。
- 分解能16.7n秒でタイムスタンプを記録し表示します。
- NAKパケットが連続する場合、その回数のみを表示して視認性を向上できます。
- 各トランザクション/フレームの詳細を表示します。
トークンパケット時 パケットタイプ、パケット名、PID、アドレス/エンドポイント、CRC5、パケット開始・終了時刻 データパケット時 パケットタイプ、パケット名、PID、ペイロード、CRC16、パケット開始・終了時刻 フレーム時 フレーム期間、パケット開始・終了時刻 - [>>]マークをクリックすると、デバイスリクエストの詳細翻訳表示ウィンドウが開きます。ディスクリプタは、その階層構造をツリー表示します。
- デバイスリクエストの翻訳項目を選択すると、データパケット内の対応データが点滅します。
- VBUSバーにUSBデバイスの消費電力・電圧・電流がリアルタイム表示されます。
- VBUSの計測タイミングでその測定値がUSBパケットログに合流されます (Ver1.3.0.0以降)
■充実した翻訳機能
各種USBクラスのデバイスリクエスト、ディスクリプタ、コマンドをわかりやすく翻訳表示できます。BluetoothドングルのHCI(ホストコントロールインターフェース)パケットの翻訳にも対応しており、Bluetoothドングルの初期化や通信相手側Bluetooth機器との接続などに関するホストPCとドングル間の流れを詳細に表示できるので、プロトコルレベルでの通信解析を大幅に効率化します。
[翻訳対象のデバイスリクエスト]
標準リクエスト、HUB/HID/Audio/Communication/MassStorage (Bulk Only Transport)/ Printer/ USBTMC / Video / ワイヤレスコントローラ(BluetoothドングルのHCIプロトコル限定)※1クラスの固有デバイスリクエスト
[翻訳対象のデバイスディスクリプタ]
標準ディスクリプタ、HUB/ HID/ Audio/ Printer/ USBTMC/ Communication、Videoのクラス別ディスクリプタ、MassStorage/Bulk Only Transportのコマンド(SCSI transparent command set、SFF-8070iに対応)、MTP/PTPのOperations、Responses、events、BluetoothドングルのHCIプロトコルのコマンドとイベント※1、クラスを指定して詳細表示
■デバイスリクエスト詳細ウィンドウ
- ツリーを開いたり、閉じたりするボタンです。
- デバイスリクエスト/ディスクリプタの内容をクリップボードにコピーするボタンです。
- 次または前のデバイスリクエストを表示させるボタンです。
- 表示をピン留め(表示させたまま閉じないように)するボタンです。
- 詳細ウィンドウの濃度調整をすることが出来るスライドバーです。
高精度タイムスタンプ
アナライザー本体のハードウェアタイマーにより、ログを開始した時点を基準として、パケットの開始時点と終了時点のタイムスタンプを分解能16.7n秒で記録します※1。タイムスタンプは、「経過時間カラム」や「パケットポジションバー」に表示され、マウスカーソルでパケットをポイントしたときは、ツールチップウィンドウでも表示します。
リアルタイムフィルタ
リアルタイムフィルタ機能を利用することで、ログファイルのデータ量を減らし解析を効率化できます。連続することが多いIN-NAK、OUT-NAKなどNAK応答トランザクションを取り込まないように指定したり、特定のアドレスやエンドポイントをAND条件で指定し、条件に一致するトランザクションのみを記録したり、記録対象から外したりすることが可能です。
強力なシーケンシャルトリガー
特定の転送データや外部信号状態などのトリガー条件と条件成立時のアクションを最大16組まで指定し連続的に実行可能。外部信号に同期してログ動作を制御したり、特定データ検出時に外部トリガー信号をONにして他の計測器と連携したりできるので、開発効率が飛躍的に向上します。
【パケットトリガー設定例】
【エラートリガー設定例】
【バスステートトリガー設定例】
【外部トリガー設定例】
【VBUSトリガー設定例(Ver1.3.1.0以降で対応)】
充実のオフライン解析機能
表示フィルタ機能や検索機能を使って、記録された膨大な測定データの中から着目するデータを簡単に見つけることができます。また、パケットタイプ別の表示色カスタマイズ機能やマーク/ジャンプ機能を利用することで開発効率はよりアップします。エニュメレーション情報が無い場合でもクラス指定することにより詳細翻訳表示が可能です。
【フィルター条件設定画面例】
【検索アドレス・エンドポイント組み合わせ条件例】
【検索条件設定画面例(標準・クラス別リクエストおよびクラスコマンドの検索)】
【検索結果画面例】
検索ヒットした部分をハイライト表示します。
【クイック検索(Ver1.3.1.0以降で対応)画面例
データ表示画面で特定のトランザクションにマウスポインタを当てると、そのトランザクションの上下に矢印が出ます。
矢印をクリックすると、同一条件(トークン、アドレス、エンドポイント、ハンドシェイク)のトランザクションを検索できます。
統計情報集計機能
統計情報集計機能を利用すれば計測ログ内のトランザクション数、転送バイト数、平均転送レートを集計して確認することが可能です。集計範囲はマウスやマーク機能で指定でき、集計結果はクリップボード経由で表計算ソフトに貼り付けることもできます。
■対象範囲
● 全トランザクション/パケット |
---|
すべての計測データを集計。 |
● 選択されたトランザクション/パケット |
マウスなどでトランザクションを選択している場合のみ表示。 |
● Mark * - * |
[Mark * - *]はマーク機能を使用した場合のみ表示。 |
■パケットの表示・非表示
パケットの表示項目上で右クリックすることによって、ポップアップメニューを表示させ各パケットの統計結果を表示・非表示に設定することが可能です。
■統計データを表計算ソフトへ貼り付け
必要な範囲を選択し、[Ctrl]+[C]でクリップボードにコピーすることによって、Excelなど他のソフトにデータを貼り付けることが可能です。
各項目の最上位の行をクリックすると、データを昇順・降順に並べ換えることが可能です。
<クリップボード経由での表計算ソフトへの貼り付け>
ファイル保存でデータを有効活用
記録データの指定範囲をコピー、ペーストしてテキストファイル形式でコンパクトに保存。報告書にしたり、Eメールでの専門家に送り確認してもらったりできます。また、データパケットのデータ部分だけをバイナリ形式で保存することもできます。
[テキスト変換したフォーマットの例]
[ SUSPEND ] [ BUS RESET ] (1.9msec) SOF=56C(5/8)-56F(8/8) 5886644116ns I N 1/ 1 ACK 5890019616ns SOF=570(1/8) 5890144050ns SETUP 1/ 0 DATA0 A3 00 00 00 03 00 04 00 (8Bytes) 5890212900ns >>+-------------------------+--------------------+ |デバイスリクエスト | | | デバイスリクエストの方向|デバイス→ホスト | | リクエストタイプ |クラス固有リクエスト| | 受取先 |その他 | | リクエストコード |00h | | wValue |0000h | | wIndex |0003h | | 要求長さ(バイト) |4 | | パラメータ | | +-------------------------+--------------------+ I N 1/ 0 ACK 5890216766ns OUT 1/ 0 DATA1 (0Bytes) 5890219866ns SOF=570(2/8) 5890269050ns SETUP 1/ 0 DATA0 23 01 14 00 03 00 00 00 (8Bytes) 5890362133ns >>+-------------------------+--------------------+ |デバイスリクエスト | | | デバイスリクエストの方向|ホスト→デバイス | | リクエストタイプ |クラス固有リクエスト| | 受取先 |その他 | | リクエストコード |01h | | wValue |0014h | | wIndex |0003h | | 要求長さ(バイト) |0 | | パラメータ | | +-------------------------+--------------------+ I N 1/ 0 ACK 5890366000ns SOF=570(3/8)-570(6/8) 5890394033ns SETUP 1/ 0 DATA0 A3 00 00 00 03 00 04 00 (8Bytes) 5890828783ns >>+-------------------------+--------------------+ |デバイスリクエスト | | | デバイスリクエストの方向|デバイス→ホスト | | リクエストタイプ |クラス固有リクエスト| | 受取先 |その他 | | リクエストコード |00h | | wValue |0000h | | wIndex |0003h | | 要求長さ(バイト) |4 | | パラメータ | | +-------------------------+--------------------+ I N 1/ 0 ACK 5890832666ns OUT 1/ 0 DATA1 (0Bytes) 5890840350ns SOF=570(7/8)-573(8/8) 5890894033ns I N 1/ 1 5894019550ns SOF=574(1/8)-577(8/8) 5894143950ns I N 1/ 1 5898019450ns SOF=578(1/8)-57B(8/8) 5898143866ns I N 1/ 1 5902019350ns SOF=57C(1/8)-57F(8/8) 5902143783ns I N 1/ 1 5906019300ns SOF=580(1/8)-583(8/8) 5906143700ns I N 1/ 1 5910019200ns SOF=584(1/8)-587(8/8) 5910143600ns I N 1/ 1 5914019083ns SOF=588(1/8)-58B(8/8) 5914143516ns I N 1/ 1 5918019000ns SOF=58C(1/8)-58F(8/8) 5918143433ns I N 1/ 1 5922018916ns SOF=590(1/8) 5922143350ns SETUP 0/ 0 DATA0 80 06 00 01 00 00 40 00 (8Bytes) ACK 5922146700ns >>+----------------------------------------------+----------------------------+ |デバイスリクエスト | | | デバイスリクエストの方向 |デバイス→ホスト | | リクエストタイプ |標準リクエスト | | 受取先 |デバイス | | リクエストコード |GET_DESCRIPTOR(6) | | ディスクリプタのインデックス番号 |0 | | ディスクリプタ タイプ |デバイス ディスクリプタ | | 言語 |未定義(0000h) | | 要求長さ(バイト) |64 | | デバイス ディスクリプタ | | | 長さ(バイト) |18 | | ディスクリプタ タイプ |デバイス ディスクリプタ(1) | | USBスペック |2.10 | | デバイス クラス |(defined in interfaces)(00h)| | デバイス サブクラス |(undefined)(00h) | | デバイス プロトコル |(undefined)(00h) | | ENDP0の最大パケットサイズ |64 | | ベンダーID |1041 / 0411h(BUFFALO INC.) | | プロダクトID |498(01F2h) | | デバイスリリース番号 |0A00 | | 製造元を示す文字列へのインデックス |1 | | 製品を表す文字列へのインデックス |2 | | シリアルナンバーを表す文字列へのインデックス|3 | | コンフィギュレーションの数 |1 | +----------------------------------------------+----------------------------+ I N 0/ 0 NAK 5922149900ns x 7 I N 0/ 0 DATA1 12 01 10 02 00 00 00 40 (18Bytes) ACK 5922173183ns [ .......@ ] 11 04 F2 01 00 0A 01 02 [ ........ ] 03 01 [ .. ] OUT 0/ 0 DATA1 (0Bytes) ACK 5922176816ns SOF=590(2/8) 5922268333ns
OP-SB84データ変換機能 (Ver1.2.0.0以降で対応)
USB アナライザー OP-SB84( ラインアイ製LE-8200A/LE-8200 の拡張ボード) で計測したログファイル( 拡張子.DT) を読み込んで解析でき、LE-650H2 のログファイル形式( 拡張子.usr)で保存することも可能です。
OP-SB84画面
OP-SB84のログファイルをLE-650H2で読み込んだ画面
VBUS測定機能
USB転送をモニターしながら、VBUS測定値(電圧・電流・消費電力)をリアルタイム表示。面倒なプロービングは不要です。
<VBUS電力のリアルタイム表示>
VBUSロガーモード(Ver1.1.0.0以降で対応)
VBUS測定専用のモードで、長時間にわたってVBUS測定を行うことができます。指定周期でパソコンに記録でき、グラフ表示やCSV保存により詳細な解析が可能です。VBUS サンプリングレートを指定し、計測時間を入力します。
サンプリングレート (LE-650H2):100m秒, 200m秒, 500m秒, 1秒
測定を開始すると、時系列にVBUS の測定値がグラフとダンプで表示され、記録されていきます。設定した計測時間の経過後に自動停止します。測定停止操作で測定を停止することも出来ます。
- VBUSの電圧、電流、電力をグラフでリアルタイム表示します。
- VBUSの電圧、電流、電力をダンプでリアルタイム表示します。
※ 測定開始から最大400,000,000 サンプリング(2GB)分まで記録できます。
- グラフの電圧、電流、電力について、それぞれ表示・非表示を選択できます。
- グラフの横軸を、拡大・縮小できます。
- グラフの縦軸の表示範囲(電流・電力のみ)を6段階で選択できます。
ログ動作を停止後は、ログファイルの保存と、csv 出力ができます。
※ csv 出力は範囲指定できません。
低消費電力、RoHS指令対応の環境配慮設計
計測処理と回路構成部品の見直しなどにより、回路の消費電力を削減してバスパワー動作が可能になりました。また、構成部品の見直しにより、RoHS指令対応や低価格化をも達成しました。
グローバルな活用をサポート
日本語版と英語版のWindows®に対応したPCソフトを付属。ラインアイのWEBサイトからPCソフトの試用版をダウンロードしてビュアソフトとしても使用できるので、海外拠点で測定したログデータを日本の開発部門で調査するようなグローバルな活用が可能です。
アップグレードや将来のバージョンアップに対応
標準モデルをご購入後、上位モデルの機能が必要になった時に有償でアドバンスモデルへのアップグレードが可能です。また、将来、改良や機能追加、バグ修正などでバージョンアップした時でも、最新バージョンのPCソフトをラインアイのWebサイトからご購入後1年間は無償でダウンロードして機能制限なく利用でき、その後もオプションの更新ライセンスを購入すれば、最新バージョンを機能制限なくご利用いただけます。
LE-650H2 から LE-650H2-A へのアップグレードをご用意しています。
商品名 | H2-Aアップグレード |
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型番 | LE-H2-A001 |
ご注文の際には、LE-650H2のシリアル番号と納品先Eメールアドレスが必要です。
こちらの申込書 にシリアル番号やEメールアドレスをご記入の上、弊社または販売店へお送りください。
この商品はEメールでの納品となります。納品の際は、メールでダウンロード用のリンクをご案内致しますので、リンクからアップグレード用のファイル一式 をダウンロードしていただきます。
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販売店様経由でのご注文
お見積、ご注文は販売店様へご依頼ください。
特約販売店・取扱店
PC操作ライブラリーを無償提供
アナライザーをPCからリモート制御してUSBログを取得するようなユーザーアプリケーションソフトを作成するときに利用するライブラリを無償提供。ラインアイのホームページから ダウンロード できます。USB機器の独自検査システムを構築するときなどに役立ちます。
ライブラリの使い方や独自ソフト作成の有償サポートにつきましては弊社営業部までお問い合わせください。