■ LE-270GR ロガーモードで測定中のログファイルを読み出す(Wi-Fi経由)
2018年7月27日
LE-270GRのロガーモードでの測定を止めずに、SD カードに記録された通信ログファイルをWi-Fi 経由でPCに読み出す手順を確認する。
※LE-270GRには2つの動作モード(プロトコルアナライザーモード/ロガーモード)がある。プロトコルアナライザーモードはUSBまたはWi-Fi経由でPC接続をして利用する。ロガーモードは単体駆動でSDカードに記録ができ、通常PCは不要であるが、専用のツールを使うと、ロガーモードで動作中にPCからWi-Fi経由でLE-270GRのSDカード内のログファイルにアクセスすることが可能である。今回はこのロガーモードでのWi-Fi接続によるログファイルの読み出しの手順を確認する。
用意するもの
- CAN/LIN通信データロガー LE-270GR
- 8GバイトSDカード SD-8GX
- ACアダプタ 6A-181WP09
- Wi-Fi接続が可能なPC
- プロトコルアナライザー LE-8200 + CAN/LIN拡張セット OP-SB87
(CANデータの生成用にLE-8200+OP-SB87のシミュレーション機能を利用)
<接続イメージ>
<LE-8200 + OP-SB87のデータをLE-270GRでロギング>
方法
- LE-270GRのPCソフト LE-LINK27R でロガーモード用の設定ファイルを作成する。
機能選択:MONITOR ONLINE
ロガー設定 データ保存(例):
保存モード→再記録 最大ファイル数→500 ファイルサイズ→128Kバイト
設定が完了したらファイルを保存し、SDカードに書き込む。
- LE無線LAN接続というツールで、無線LAN設定ファイル(WLANCFG.WL)を作成する。
今回はLE-270GR自身がアクセスポイント※になるように設定。無線LANモードは「アクセスポイント」を選択し、SSIDやパスワード等も入力する。
※「ステーション」を選択すると、PCとLE-270GRはアクセスポイントを経由して接続される。「アクセスポイント」を選択すると、LE-270GR自身がアクセスポイントになり、PCと直接接続される。
設定が完了したら「保存」をクリックし、設定ファイルをSDカードに書き込む。
- LE-270GRに、設定ファイルを書き込んだSDカードを挿入する。
- シミュレーション機能を利用できるようにしたLE-8200とOP-SB87をLE-270GRに接続し、ACアダプタを用いてLE-270GRに電源を供給する。
- LE-8200 Simulation MANUAL内のDate send tableからデータ送信を開始する。
- LE-270GRのRUN/STOPボタンを長押しし、測定を開始する。LE-270GRはLE-8200が送信するデータをキャプチャし、SDカードにロギングしていく。
- PCのWi-Fiを有効にし、LE-270GRとPCをWi-Fi接続させる。
(無線LAN設定ファイルでSDカード内に保存したSSIDがPCのWi-Fiに表示されるので、これに接続を行う。)
- LE-270GR付属のCD-ROM に収録されているLEファイルダウンローダーというツールをPCで起動する。接続をクリックするとSDカード内のファイルがリスト表示されるので、ファイルを選択してPCにダウンロードする。
- 8.のログファイルをPCソフト LE-LINK27Rで開けるか確認する。
結果
ロガーモードで測定したデータをSDカードに書き込み、LE-270GRとPCをWi-Fi接続させ、LEファイルダウンローダーで見ると、保存されたログファイルのリストが下記のように表示された。測定設定の際に、ファイルサイズは128Kバイトに設定したが、付加情報が入り144KBで保存された。
さらにリスト更新をクリックすることで、最新の状態が表示され、ログファイルを選択してダウンロードすると、保存先に設定したフォルダに保存された。
(1番下の、サイズが144KBに満たないファイルはエラーになり、ダウンロード不可であった。)
保存されたログファイルをLE-LINK27Rで開くことで、PCに読み出すことができた。
まとめ
LE-270GRのロガーモードでの測定を止めずに、SDカードに記録された通信ログファイルをWi-Fi経由でPCに読み出す手順が確認できた。ただし、設定したファイルサイズに達していない一番新しいファイルはPCにダウンロードすることができなかった。(データ記録中で、SDカード内でファイルの保存が完了していないため)