■ 高速通信用ファームウェアOP-FW12GA ■
概要

ビット同期通信(HDLC/SDLC/X.25およびCC-Link通信など)、SPI通信、高速なフィールドバスであるProfibus-DP及び最も汎用的なUART(調歩同期通信)の計測テスト速度を高速化する拡張ファームウェアです。主要な計測処理を全てFPGAで処理することで、マイクロ秒単位のタイムスタンプと共に通信データを確実にキャプチャーします。インターフェースはRS-232C/RS-422/RS-485/TTLに対応できます。
ファームウェア | OP-FW12G Version 2.00以降 |
OP-FW12GA |
---|---|---|
UART | × | ○ |
HDLC | ○ | ○ |
SPI | ○ | ○ |
Profibus-DP | × | ○ |
準備 (拡張ファームウェアをアナライザーへ転送)
- アナライザーとパソコンをAUXケーブル(またはUSBケーブル)で接続
- 拡張ファームウェアCDをパソコンにセット
- CDに収録された転送ソフトでCDの拡張ファームウェアをアナライザーに書き込む
- 一度、書き込むと電源onで高速計測モードでアナライザーが起動
< OP-FW12GAのオープニング画面 >
通常モードと高速計測モードの切り替えは、電源on時のキー操作で可能です。
高速計測モード → 通常計測モード | : | [Shift] と[0] を押しながら、電源on |
通常計測モード → 高速計測モード | : | [Shift] と[3] を押しながら、電源on |
使用方法
RS-232C
LE-8200A/LE-8200 に付属のモニターケーブルLE-25M1 を利用してRS-232C ポートに接続します。
RS-422/RS-485
オプションのDsub25ピン用端子台(LE-25TB)などを用いて、図の様にRS-422/485回線に接続します。

Half-duplex | 2 (TxD_A), 14 (TxD_B) 7 Connect (GND) |
---|---|
Full-duplex | 2 (TxD_A), 14 (TxD_B) 3 (RxD_A), 16 (RxD_B) 7 Connect (GND) |
終端抵抗が必要な場合は、インターフェース基板上のDIP SWでONします。
TTL
OP-SB85/OP-SB85Lを利用して接続します。
■HDLC モニター![]() |
■HDLC シミュレーション![]() |
■SPI モニター![]() |
■SPI シミュレーション |
|
□マスターモード SDO (SD) とMOSI、SDI (RD) とMISO、 SS (RTS) とSS、SCK (TXC) とSCK を接続します。 ![]() |
□スレーブモード SDO (SD) とMISO、SDI (RD) とMOSI、 SS (RTS) とSS、SCK (TXC) とSCK を接続します。 ![]() |
モニター機能
最大12Mbps(ASYNC/HDLC/Profibus-DP)及び最大20Mbps(SPI)の任意の通信速度でネットワークをリアルタイムモニター可能。レスポンスタイム(応答時間)などの解析に有効なタイムスタンプは分解能1ms/100μs/10μs/1μsから選択でき、高速通信の開発や不具合の検証を効率よく行うことができます。
ASYNC

ASYNCモニター機能は、データビット長(7、8bit)、パリティビット(なし、偶数、奇数)、BCC(LRC-ODD/LRC-EVEN/CRC-16/CRC-ITU-T)をサポートします。 OP-SB85Lと組みわせることでマイコンや通信モジュールのUARTを簡単に測定することができます。
HDLC/SDLC/X.25およびCC-Link
特定アドレス(フラグ直後の16ビット)のフレームのみをキャプチャーできるIDフィルターをSD側とRD側にそれぞれに指定でき、解析の効率を高めると共に、キャプチャーメモリーを有効に利用できます。また、半二重通信時には特定アドレスのフレームをSD側、それ以外のフレームをRD側に振り分けて判りやすく表示することもできます。
<HDLC設定画面例>![]() |
<HDLCモニター画面例 通常表示>![]() |
<フレーム表示>![]() |
<パケット表示>![]() |
SPI
SPIモニター機能は、クロック極性とクロック位相の組み合わせで4パターンあるSPI転送タイミングの全てに対応でき、対象機器を選びません。また、SS信号がローレベルのままで全フレームを転送してしまうSPI機器の場合でも、Frame end time (転送クロック休止時間 0.1 μ秒単位)を設定することで、CPUが介在する程度の時間単位でデータを分割でき、転送コマンドとデータの関係などが効率的に解析できます。 | <SPI設定画面例>![]() |
<SPIモニター画面例 通常表示>![]() |
<SPIモニター画面例 ダンプ表示>![]() |
Profibus-DP
高速フィールドバスとして、世界で最も普及しているProfibus-DPに対応。Profibusの通信規格に従ってフレームを切り出し、BCCのエラーチェックや翻訳表示することができます。 | <Profibusモニター画面 通常表示>![]() |
<Profibusモニター画面 翻訳表示>![]() |
<Profibusモニター画面 ダンプ表示>![]() |
トリガー機能
<トリガー設定画面例1>![]() |
<トリガー設定画面例2>![]() |
<トリガー設定画面例3>![]() |
最大8文字(ドント・ケア、ビットマスク指定可能)2組の単独またはシーケンシャル検出時、またはエラー(CRCエラー、アボート、ショートフレーム)検出時に、モニター動作を自動停止または外部トリガー端子にLowパルスを出力します。 |
シミュレーション機能

開発初期段階や、高速通信を行う相手機器がない場合に役立つシミュレーションは、送信データテーブルに登録した160種類のテストデータをキー操作で1回または繰り返して送信することができます。TTLインターフェース時には、出力信号レベルや出力タイプが指定でき、対象基板の電源仕様に応じた最適なテストが可能です。また、SPIのシミュレーションは、マスターモードまたはスレーブモードを選択でき、本機がマスターとなるマスターモードでは、最高12Mbpsの高速データ送受信テストを実現しています。
ロジアナ解析をサポート
最高100MHzのサンプリングが可能なロジアナ機能は、HDLCやSPIの高速信号の微妙なタイミング解析が可能。また、通信波形のイメージが直感的に確認できるので、ハード的な問題点の究明だけでなく、データ通信関係の教育用途にも最適です。
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LE-8200Aを利用する場合は、ロジアナ波形を自由に編集して出力できるパルスジェネレータ機能もご利用いただけます。
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その他
オプションの外部メモリーに計測データを長時間記録、テキストデータへの変換、特定データ列の検索も、もちろん対応しおります。また、電源投入時の操作で通常モードへの切換えもワンタッチで行えます。
仕様
計測インターフェース | RS-422/RS-485(RS-530)※1、TTL※2、SPI※2 | |
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適合プロトコル | HDLC、SDLC、X.25、CC-Link(NRZ/NRZIフォーマット、ARクロック※3) SPI 、ASYNC、Profibus | |
通信速度 | HDLC、CC-Link ASYNC Profibus |
115.2kbps 〜 全二重6Mbps/半二重12Mbps※4 |
SPI | 115.2kbps 〜 20Mbps※4※5 シミュレーション時は最高12Mbps(マスターモード)/6Mbps(スレーブモード) |
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設定ステップ | 任意:有効数字4 桁 | |
エラーチェック機能 | FCS エラー(CRC-ITU-T)、アボート、ショートフレーム 、ブレーク、フレーミングエラー、パリティエラー、BCCエラー | |
オンラインモニター 機能 | タイムスタンプ記録 | 9桁 0 〜 134217727 1ms、100μs、10μs、1μs 単位 |
ID フィルター (HDLC) | 2 キャラクタ設定可能(ドントケア、ビットマスク可) | |
シミュレーション 機能 | 送信データテーブル | 16k データ(160 分割して登録可) |
MANUAL モード | キーに対応した登録データを送信 繰り返し送信と繰り返し間隔を指定可 |
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トリガー機能 | 最大8 文字(ドントケア、ビットマスク可)2 組の単独およびシーケンシャル検出時、エラー検出時、外部信号トリガー入力のLow レベル検出時 にモニター動作を自動停止または1μsのLowパルスをトリガー端子に出力 | |
ロジアナ機能 | クロック | 1KHz〜40MHz、100MHz |
メモリー | 4000サンプリング | |
PULSGEN波形出力機能※6 | ロジアナ解析機能で測定した通信回線のタイミング波形データを再現 | |
データ検索機能 | トリガーデータ、エラーデータ、文字列の検索可 | |
オートRUN/STOP 機能 | 指定時刻に測定開始、停止可能 | |
構成品 | ファームウェアCD, 取扱説明書 |
